- 海外転職したいけど自分にできるか不安
- 今の会社で海外で働くチャンスを得るのが難しい or 時間がかかる
- 実際に海外転職した人の話を聞きたい
これらは、すべて私が数年前まで日本で働いていたときに持っていた悩みです。
20代で同じ悩みを持った方も多いのではないでしょうか。
私自身も数年前まで「20代のうちに海外で働きたい」という夢を持ちつづけていましたが、なかなか実現せずに時間が経過していました。
しかし、今年27歳でメキシコ現地採用という形で、自分の願いをようやく形にすることができました。
今回は、メキシコで働く魅力と不安要素について、現地採用としてメキシコを選んで働く現地在住者の目線で解説いたします。
20代で海外転職を目指す方の参考にしていただければ幸いです。
- 20代の海外転職の実例
- メキシコ現地採用について
- メキシコで働く上での魅力と不安要素
この記事を書いた人
- 大学卒業後に大手上場メーカーで4年間勤務(2018年4月〜2022年3月)
- 退職後にスペインで9ヶ月語学留学(2022年4月〜2022年12月)
- メキシコの日系物流会社に、現地採用の営業職に転職(2023年3月〜)
詳しい自己紹介は、スペイン留学ブログで以前執筆しました。
会社を退職、スペイン留学に至った背景について説明しています。
メキシコ現地採用とは?
メキシコで働くには、大きく分けて2種類の方法があります。(便宜上フリーランスや起業は除く)
1つ目は、「駐在員」として働く方法。大抵の場合、本社から出向の形で派遣されて、現地法人のマネージャーとして働きます。
給料や福利厚生などの待遇面にメリットがある反面、20代社員のチャンスがなかったり、帰国するタイミングが自分で決められないなどのデメリットがあります。
2つ目は、「現地採用」として働く方法。大抵の場合、現地法人に直接雇用されて、現地法人のローカル社員として働きます。
給料や福利厚生などの待遇面にデメリットがある反面、自分主導で会社と契約交渉ができたり、自分が働きたい国で働けるなどのメリットがあります。
メキシコで現地採用として働く上での魅力5選
- スペイン語を思う存分に活かせる
- ビザが取りやすい
- 外国人に対して寛容的
- 仕事のストレスが少ない
- 経済発展の勢いを感じながら仕事できる
スペイン語を思う存分に活かせる
スペイン語を思う存分に活かすのであれば、メキシコ現地採用はおすすめです。
その理由は主に2つあります。
- スペイン語人口が世界で最も多い
- 日本語とスペイン語の二言語を話せる人材が超貴重
1つ目の「スペイン語人口が世界で最も多い」について。
スペイン語は、英語・中国語と並んで世界で最も話者人口が多い言語のひとつで、その中心地と言えるのがメキシコなのです。
近年は、アメリカ国内のヒスパニック系の人口も増加しています。
スペイン語の重要性 これからの時代は英語でも中国語でもなくスペイン語?!
2つ目の「日本語とスペイン語の二言語を話せる人材が超貴重」について。
日本人でスペイン語を話せる人材は極めて少なく、非常に重宝されます。一方で、アメリカ、中国、タイなどと同様に、たくさんの日系企業がメキシコに進出しています。
日系企業の現地法人がスペイン語を話せる日本人を現地採用する会社も多く、仕事を見つけるチャンスに恵まれているのが特徴です。
ビザが取りやすい
メキシコは、諸外国と比べても比較的ビザが取りやすい国です。
隣国アメリカほど就労ビザ取得の難易度が低く、容易にビザを取得できます。
実際、メキシコに4年継続して居住すれば、永住権を申請可能です。
前述の通り、日系企業もたくさん進出しているので、ビザをサポートしてくれる会社も多い傾向にあります。
条件さえ合えば新卒でも就職可能です。
私の会社にも、大学卒業後すぐに現地で新卒入社した日本人の同僚がいます。
他の国では新卒でいきなりの海外就職は難しくでも、メキシコでは可能な環境がそろっているのです。
外国人に対して寛容的
メキシコは、外国人に対して寛容的な国と言えます。
彼らの陽気な国民性の影響からか、誰に対しても分け隔てなく接する傾向があります。
人当たりの良さで言えば、過去に住んだスペインより好印象です。
私自身、見た目ですぐわかるアジア人ですが、英語で話しかけられることはほとんどありません。
特別に外国人扱いされている訳ではないので、非常に居心地よく感じています。
差別がゼロの国ではありませんが、欧米諸国や他のラテン諸国と比べても少ないと言われています。
仕事のストレスが少ない
メキシコは、世界一労働時間が長い国と言われています。
これは、休日が少ない影響で出勤日数が多かったり、始業時間が早い傾向にあるからです。
しかし、労働環境は労働時間に反して働きやすい環境にあります。
それには、以下の理由が挙げられます。
- 駐在員など一部のマネジャー職を除いて、ほとんど残業しない
- 仕事よりも家族の方が大事との考えが強い
- 上下関係がフラットである
転職する方も多く、入社時期や年齢差でのしがらみもほとんどありません。
こうした背景が、仕事のストレスが少ないことに影響しています。
経済発展の勢いを感じながら仕事できる
メキシコは、国民の平均年齢も29歳という非常に若く活気がある国です。※日本の平均年齢は48歳程度
その勢いは実際にデータにも出ており、2050年のGDP予測でTOP10に入ると予想されています。
PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表 先進国から新興国への経済力シフトは長期にわたり継続‐インド、インドネシア、ベトナムが著しく成長
また、地理的・経済的には、
- 世界一の経済大国アメリカの隣国
- ラテンアメリカの第二位の経済大国(一位はブラジル)
という優位性があり、北米・中南米経済の重要拠点です。
昨今、パンデミックや米中摩擦でサプライチェーンを見直す動きが加速しています。
この流れで消費者の近くに生産地を変更する「ニアショアリング」が進んでいます。
そこで最も注目を集める国のひとつがメキシコです。
日本企業のメキシコ投資が拡大、ニアショアリングの流れが追い風に
こうした経済の勢いも感じながら仕事をするのも、メキシコで働く上での魅力ではないでしょうか。
メキシコで現地採用として働く上での不安要素5選
- 治安の悪い場所がある
- 給料が安い
- 祝祭日が少ない
- 英語の話せる人が少ない
- 日本へ簡単に帰国できない
治安の悪い場所がある
残念ながら、メキシコは世界的に見て最も治安の悪い国のひとつです。
「メキシコ」と聞くだけで、「麻薬」「カルテル」「殺人」「誘拐」などの物騒な用語を連想する人も多いのではないでしょうか。
しかし、メキシコ全土が危ないというのは全くの事実誤認です。
場所によって危険な州・都市はありますが、私たちが普通に生活を送る上で、命の危機にさらされることはほぼありません。
どちらかといえば、強盗やスリなど軽犯罪の方が多い傾向にあります。これは、どこの国に住んでも注意が必要です。
具体的に「どこが安全か」「何に気を付けて過ごす必要があるか」は外務省HPで確認できます。
生活拠点を決めるのにご参考にするとよいでしょう。
給料が安い
現地採用としてメキシコで勤務する場合、日本と比べて給与水準が低い傾向にあります。
私自身も、メキシコの給料は日本の会社員時代の給料より、年収は額面ベースで数百万円ほど落ちました。
しかし、物価が安い国なので生活面では問題なく暮らせます。
家賃も日本と比べるとかなり安く、若者はシェアハウスを使って生活費を抑えています。
また、昇進・昇給のスピードも日本よりも早いです。実力さえ認められれば、自分でどんどん給与交渉しやすくなる環境が整っていると言えるでしょう。
具体的な給料の目安は、以下記事をご参考ください。
祝祭日が少ない
メキシコは、世界で最も祝祭日(法定休日)が少ない国のひとつです。
年間でわずか7日しかありません。絶望するかもしれませんが実はカラクリがあります。
というのも、慣例休日という催事や慣習に基づいた休日があり、多くの会社で休日になるのです。
したがって、法定休日と合わせると他の国と比べてやや少ないか、同じ程度の日数になります。
ディスニー映画「リメンバーミー」でおなじみ、死者の日も慣例休日に当たります。
また、有給休暇は100%消化が当たり前に文化として根付いているため、休みは比較的取りやすい傾向にあります。
英語の話せる人が少ない
アメリカに最も移民を送り出す国はメキシコです。ところが、メキシコは英語も使いこなせる人材が少ない国です。
実際、高等教育を受けた層を除けば、スペイン語圏の国の中でもかなり少ないはずです。
街でもほぼ英語は通じないと考えた方がよいでしょう。
したがって、メキシコでは最低限のスペイン語を学ばないと、生活はややしんどくなります。(旅行レベルでは問題なし)
私も顔の見た目が典型的なアジア人ですが、英語に話しかけられることは滅多にありません。
他の非英語圏では英語でよく話しかけられました。
日本へ簡単に帰国できない
メキシコはアジア圏ではありませんので、日本への帰国が時間的・金銭的に簡単にできません。
時間的には、帰国可能なタイミングは、クリスマスやセマナサンタ(4月)などの数少ない長期休暇に限られてしまいます。
それでも10日間程度の休暇しかありません。
また、金銭的に4月や12月だと航空券価格も高い傾向にあり、最低でも往復30万円程度は覚悟した方がよいです。
日本に定期的に帰国したい方にとっては、ややハードルが上がります。
まとめ:働きやすさ重視ならメキシコ現地採用はあり!
以上、メキシコ現地採用の魅力と不安要素について紹介いたしました。
デメリットはいろいろとありますが、日本で会社員をしていたときよりしがらみが少なく、働きやすいと個人的に感じています。
私以外にも日本での社会人経験を経て、メキシコ現地採用で働く方が実際に数多くいらっしゃいます。
もし海外転職希望で働きやすさを重視するのであれば、メキシコはおすすめできる国のひとつです。
新たな挑戦をメキシコの地ではじめる仲間が増えると、私自身も嬉しく感じます。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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